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2021.08.23 働くこととは

日本と欧米の雇用慣行の違い

日本と欧米の働き方の違いと、メリット・デメリットをまとめます。

1.欧米の働き方

日本以外のほぼすべての国では、仕事に対して求められる資質や経験が決まっており、資質を持った人がその仕事に応募して働くという形をとる。いわば仕事に人がつく形態であり報酬も仕事に応じて決まるので「職務給」と呼ばれる。

欧米では、広くワークライフバランスが実施されているとの印象がいき渡っているが、その認識は一部間違っている。正確には出世や管理職とは無縁のノンエリート層では、余暇が充実しワークライフバランスも行き渡っているが、管理職や企業経営を担う一部のエリート層は日本以上にハードワークであるというのが実情でわる。

ノンエリート層は何年勤めようが上位管理者に自動的に昇進することはなく、具体的には同レベルの現場実務を続けていく。そうして実務スキルが習熟していくために転職の際にも比較的容易に転職ができる。または、いわばずっと平社員の状態であれば、脱落の心配もなく、休暇取得や育休取得に抵抗なく、どんどん休んで、長時間労働をする理由もないためワークライフバランスが充実する。そして組織において、その仕事の必要がなくなったり、採用した人が契約に応じた働きが出来なくなったりすれば、企業は整理解雇をすることができる。海外では簡単にクビになると言われるのはそのためだ。

人生100年時代

2.日本の労働慣行

一方、日本ではどうだろう。日本の新卒一括採用システムは、会社組織に対して求める人物像が決まっており、意欲・主体性・粘り強さと言った資質を持った人がその会社に応募して採用される。仕事は入社後、人に合わせて決まる形を取るので、「人に仕事がつく」形態であり、報酬は通常は「年齢 = 年功」に応じて決まるため「職能給」と呼ばれる。

良いか悪いかは別として、日本企業の建前は全員が社長になれる可能性があると言う平等性を売りにしており、それゆえに全員が出世を目指して頑張るという姿勢が大前提となる。そしてメンバーシップの名の通り、入社したらその組織のファミリーの一員のごとく扱われるファミリーであるから、多少の仕事ができなくても、また急な景気変動が起きて、会社の業績が悪化しても、いきなりクビになることが基本的になく、賃金据え置き異動や転勤・転籍・出向などの形で組織内には温存される形になるとなる。首にはなりにくい代わりに労働者は企業内のすべての業務に従事する義務が発生する。会社側が一方的に転勤や転籍出向などを命じることは、日本以外の諸外国なら、パワハラ扱いになるくらいの事態なのだが日本の場合は当然のこととして認識されている。 

すなわち、これまで私たちが慣れ親しんできた日本の労働慣行にはクビになりにくい代わりに、低賃金・長時間労働・転勤・転職・出向といった条件を受け入れざるを得ないという点でブラックな労働環境になりやすい要素が含まれているということになる。

とはいえ、そこまで会社側の権限を認めているのも、あくまで会社が従業員もファミリーの一員として大切に扱い、業績が悪くても安易にクビにせず、雇用をし続けるという前提があっての話だ。前提条件を守らずに従業員を酷使するだけのアンファアな会社はブラック企業のそしりを受けても仕方がないだろう。

ブラックユニオン 新田龍


(コメント)

非常にわかりやすい解説でした。ブラック企業とブラックユニオンのお互いにより良い労働環境を作っていくのではないかと思います。

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