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インフラ整備

2021.05.12 公共事業

公共事業悪玉論

社会資本整備には短期的な経済効果であるフロー効果と、中長期的な経済効果があります。
しかし、国の財政が歳入を上回る状況が続き、その差は借金である国債の発行で賄われています。その中で、加速するインフラ老朽化、脆弱な国土、人口減少に伴う地方の疲弊が起こっています。これらの対応策を検討しました。

1.公共事業 悪玉論

道路を造ったり、川の整備をしたり公民館を建てたり、地方に空港を作ったりしています。この公共事業に対してあまり良くないイメージを持つ人いるかもしれません。いわゆる公共事業悪玉論というものです。こんな田舎に広い道路なんか作ってどうするんだ。もう人口が減っているのに空港を新しく作るなんておかしい。何兆円もかかるし、誰も利用しないじゃないか。そんなお金をかけて空港を作ったって税金の無駄遣いだ。

公共事業をすると地元の企業が潤って政治家の評判が上がるだけだ。そのために税金を無駄遣いしてるんだ。

実はこの公共事業悪玉論が広がったのは2009年に自民党が選挙に負けて民主党政権が誕生した時です。民主党政権やマスコミが公共事業悪玉論を主張してきました。民主党政権が掲げた「コンクリートから人へ」というスローガンがこの考えをよく表しています。

しかし、この考え方は実は経済学的には何の根拠もなく、この考え方を基本としては、国の経済は発展しないです。

需要と供給の関係というものがあります。あるもの値段があってその値段が高くなると消費者が買わなくなります。そして安くなると企業が作らなくなります。だから市場はそのものの値段がちょうど良いところで落ち着くという。つまり、市場には神の見えざる手が働いているということです。ところがこの考えだけでは説明できないことが起きてきました。例えば世界恐慌です。世界恐慌が起こると市場の力に任せても失業者が増えるばかりで、すべてうまくいかなくなります。それからこの理論では失業者というものは存在しないのです。というのは、労働の値段には需要と供給の関係が成り立たない値段があるということです。こういった問題を克服するためにケインズという経済学者が理論を発表しました。

その一つが公共事業の必要性です。先ほどの世界恐慌とか失業率の話のように、市場では補いきれない部分を、国が公共事業を通して補う必要があるということです。次に、公共事業を実施すると、その効果が雪だるま式に増えていくという理論があります。例えば企業で利益が出れば企業はその利益を投資に回そうと考えるわけです。例えば1億円の公共事業をすると、そこで企業は利益が出て、その利益から投資に回そうとします。そうするとその経済効果は1.4億円程度です。1億円の公共事業をすることによって1.4億円程度の効果になると言われています。これを経済学では乗数効果と呼んでいます。

勝共理論「公共事業」中村学

2.国民給付金(10万円)と公共事業

公共事業ではなくて、国民にお金を配るとどうなるかということです。例えばこのコロナの時に国が国民全員に直接お金10万円配りました。その国から国民に給付する経済効果は、乗数効果はだいたい0.4程度と言われています。つまり1億円を給付しても、4000万円程度の効果しかないのです。どうしてこの違いが生まれるかというと、普通は国民が給付金をもらっても、そのお金で何か新しい事業を始めようとか考えないわけです。多くの方は給付金をもらっても、それを貯金に回したり、あるいは借金の返済に当てたりするので、そのお金が次の経済につながらないということです。つまり公共事業は国民への給付以上に、最終的には国民のためになるもだということです。

地方に道路や空港を造るのは無駄という批判があるということですが、この批判も間違いです。本当に必要な施設しか地方に作らないのであれば、地方に道路や空港はいらなくなってしまいます。なぜかというとみんなで東京に住めば一番効率的だからです。

でもそうすると日本の国土の大半が死んでしまいます。つまり国土という資源を無駄にしてしまうということです。そうすると日本が潜在的に持っている可能性をどんどん削っていきます。ですから日本の可能性を発揮させるには、むしろ公共事業を通して地方の力を底上げすることが基調になっているということなんです。

勝共理論「公共事業」中村学

3.コメント

「コンクリートから人へ」という言葉は、耳障りだけがいいだけで、経済学的根拠がないスローガンに過ぎないという。共産主義思想では共産主義になれば皆が豊かになれるんだという。どちらも、経済学的根拠は何もないという点が同じと訴えていますが、それぞれ自分で判断すべきです。

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